はあちゅうさんが『安いものだけ選んでいると、自分の値段が安くなる』とか書いてて「こいつアホか」と思った話


タイトルはだいぶ煽り気味ですが第一印象はそんな感じでした。
ちゃんと読んだので個人的な感想を書こうと思います。
読んだら「別の話じゃねーのこれ」って思ってそのようなことなどを
これは、友人の話なのですが、とある電通出身のクリエイターに仕事をお願いして「請求書をお願いします」って言ったら、その人、もういい年なのに請求書作れなかったらしいんです。たぶん、これまでは全部、営業さん任せだったんでしょうね。
そりゃあまぁ自分で値付けしたことなかったら請求書作れないよねって話。それはわかる。「結局じぶんで値付けした経験がないと値付けできない」よね。そこはわかる。

で、ブログの本題は「相場がない場所でのプライシング」なんですけど、はあちゅうさん曰く『消費体験と深く結び付いていたりするのかもなー』と言っておられるのですが、「それはないわー」というのが個人的な意見でございまして。
高いものの価値を知っている人は
それなりの値段をつけることに躊躇しないし、

安いものしか買ってない、
普段、値段で物を選んでいる人ほど、
自分にも安い値段をつけがちなんです。
って言ってるんですけど、買うのは自分じゃなくて他人なんですから、他人がその価値に対していくら出してくれるかってことを考えないと価格決められなくない?って思うんですよ。

はあちゅうさんは木暮太一さんという人のインタビューから引用している部分があって、その一部を以下に引用しておきますと
そもそも値付けができない人は大抵、自分でそういうお金を使ったことがないですね。その差は大きいです。高額のセミナーに参加すると、やっぱり不満が残って至らないところがすごく目に付くんですよ。それで、「あ、この程度で50万円とか設定してるのね」と思うと、じゃあ自分のやつも20万円はいけるかなって考えられようになります。
はあちゅうさんの言ってることはともかく木暮さんの言ってるところは多少わかるわけ。ただ、それは「他人の値付けが参考になっている」だけであって、購買行動云々は関係ないよなーっていうのは思う。

まぁ、要するに「その値段でそのものが買ってもらえるかどうかって、自分の購買行動とはまったく別個のものだから・・・」というのが僕の思うところなのでして。

たとえば僕は同人誌を出しているのだけれど、あれも相場があるようでないものなので、はじめた当初はどうやって値段つけたらいいかわからないわけですよ。で、とりあえず適当に値段つけて売ってみる。売れない。で、仮説を立てていろいろ作っていろいろ値段つけて売ってみる。そうすると、「どんなに安くしても売れないもの」と「多少高くても売れるもの」が出てくる。じゃあ「多少高くても売れるもの」のバリエーションを増やして、「どんなに安くしても売れないもの」は作るのも売るのもやめようと。そうすると、最初の何回かのコミケはずっと赤字だったんですけど、最近はサークル費用と印刷費用くらいはペイするくらいうまく回るようになってきたわけです。

※ちなみに同人誌は販売するものではなく頒布するものなので「売る」っていう言葉の使い方はおかしいんですけどね・・・ほかに表現が思い浮かばず。

ようするに値付けって、いろいろ試行錯誤してみないとできないんですよ。特にはあちゅうさんみたいなブランドを持たない無名の同人作家の場合。

適正なプライシングができるようになっていく過程では「消費体験」など全く関係なく「実際にプライシングして失敗してだんだん求められるコンテンツと適正価格がわかるようになっていく」んだと思うんですよね。要するに「商売は実際にやってみなけりゃうまくいくようになんかなるはずもなく、そこに消費体験など全く絡んでこない」と思う次第。

「速く行動し、速く失敗し、速く修正する」これが商売の秘訣なんじゃないかと思う次第。これに付け加えるならば「最初は失敗しても補填できるくらいの赤にしておくこと」が重要だと思いますね。でないと失敗→試行錯誤のサイクル回せないし。

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